犬というのは、甘噛みする人としない人を明確に分けているんですよ。
いいえ、子犬でも甘噛みする人としない人がいるのは事実。
甘噛みの放置は厳禁!
甘噛みをしないよう、子犬のうちにしつけておきたいものです。
今回は、犬が甘噛みする人としない人は「どんな人」なのかを徹底解説!
本記事のポイントは以下の通り。
- 犬が甘噛みする人としない人の特徴
- すぐにできる犬の甘噛み対処法
- 甘噛みを放置したらどうなるか
- 甘噛みの種類や甘噛みの理由
お読みになると、犬の甘噛みを理解することで、愛犬に正しいしつけができるようになりますよ。
犬が甘噛みする人
犬が甘噛みする人には特徴があります。
具体的には以下のような人です。
- 信用されている人
- 遊んでくれる人
- 触感が好み
- 何をしても叱らない人
このあと、それぞれ解説します。
信用されている人
信用されているということは、犬はあなたのことが大好きなんです。
犬はあなたのことを大好きだから「好きだよ!」「構って!」「遊んで!」といった欲求を甘噛みという形で表すのです。
犬が、信用している人に対してとる行動を以下に書き出してみました。
- お腹を見せる
- お尻や背中をつけてくる
- 顔をなめる
- 尻尾を振る
- 体をじっと触らせる
信用されてるから、大丈夫なんてことはありません。
相手は、犬で人間ではないことを、こちらも心得る必要があります。
遊んでくれる人
遊んでくれる人に、甘噛みをすることがあります。
特に、犬と遊ぶ時に「手」で遊んでいる人です。
犬は、遊ぶことが大好きで、遊ぶことでストレス発散をします。
家族の中でも、犬は「遊んでくれる人」と「遊んでくれない人」を認識し、遊んでくれる人に対しては、遊びの催促をします。
犬が飼い主に遊んで欲しい時の表現方法は、様々です。
遊んでくれる人を、犬が嫌うことはありません。
では、なぜ甘噛みをして遊ぶことを催促するのか。
仕事の疲れを犬の甘噛みでとっています。 pic.twitter.com/1dKoHGnDI7
— タヌキ似のたろ吉@ポメラニアン (@kyabetubatake) March 11, 2021
このように犬と遊ぶ時、あなたの「手」で遊んでいませんか?
何度も「手」で遊ぶことで、犬は「手」を遊ぶものだと誤った認識をする事があります。
本来「手」は、遊ぶものではないので、「手」を使って犬と遊んだり興奮させるようなことは直ぐにでも止めましょう。
触感が好み
噛んだ時の「触感」が好きという理由で、人の手を甘噛みする犬がいます。
犬が好む触感は、柔らかく弾力のある皮膚。
噛んだ人間の皮膚の柔らかさや、弾力のある皮膚の触感が犬にとっては好みだからです。
子犬は、親や兄弟とじゃれ合い甘噛みすることで「噛む力加減」を学びます。
子犬の親や兄弟とじゃれ合い甘噛みした時の触感が、人間の皮膚の柔らかさや弾力のある皮膚の触感と似ています。
このことから、人間の肌の触感を子犬が好み人の手を甘噛みすると考えられます。
何をしても叱らない人
何をしても叱らない人を、犬は甘噛みすることがあります。
犬はストレスがたまっているとき、おもちゃなどを甘噛みすることがあるんです。
何をしても叱らない人なら、犬はストレス発散のおもちゃと同じように甘噛みするんですよ。
家族として、迎え入れた愛犬のことが可愛くて仕方ないのは良く分かります。
私も、愛犬のことが可愛くて仕方ないがゆえ愛犬が何をしても「可愛いからOK」となってしまいそうな時があります。
犬は、利口な動物です。
噛みつこうが、物を壊そうが、粗相をしようが「可愛い」で叱らずそのままにしておくと、犬は「この人の前では、何でもして良い」と覚えてしまい飼い主のあなたが愛犬の行動に、悩まされることとなりかねません。
甘噛みをしてはいけないことを「怒る」のではなく「叱る」というしつけを行うことで、犬と生活しやすくなりますよ。
犬が甘噛みしない人
犬が甘噛みしない人にも特徴があります。
具体的には以下の様な人です
- 甘噛みにNOをはっきり示す人
- 犬にとって興味のない人
- 信用できない人
これから解説しますね。
甘噛みにNOをはっきり示す人
甘嚙みされたときに、はっきりNOを示す人には、犬は甘噛みしません。
日ごろから「してはいけないこと」には、はっきりとした言葉と態度でしつけておくことが重要。
甘噛みも「してはいけないこと」として、はっきりNOと言えれば、甘噛み防ぐことができます。
甘噛みをされた時は無駄に騒がず冷静に「ダメ!」と言うなり、毅然とした態度で接するようにしましょう。
犬にとって興味のない人
犬が興味のない人には、甘噛みしません。
興味が無いのに、犬から近づくことはありません。
以下が犬が興味を示さない人の特徴です。
- 大きな音のするカートなどを引いている
- 体が大きく低い声
- 怒った表情
- 大きな声を出し走る子供
- 香水などの匂いが強い
犬は、聴覚・嗅覚が敏感なだけでなく人の表情も観察しています。
「愛犬から甘噛みされないよ、ラッキー!」ではなく、それはあなたに興味が無いだけかもしれません。
信用できない人
犬は信用できない人のことを、甘噛みしません。
信用していない人に対して、犬がとる行動を以下に書き出してみました。
- 触ろうとすると嫌がる
- 尻尾を小刻みに振る
- 呼ばれても無視する
- 触られると固まる
- じっと見つめる
じっと見つめるに関しては、犬がキラキラした目で見つめてきて「大好き!」という気持ちを表すこともあります。
しかし、信用していない人をじっと見ている時の犬の表情は険しく、一触即発状態に見えるはずです。
せっかく、家族として迎え入れた愛犬に信用されないなんて悲しいですよね。
普段からのコミュニケーションを大切にしましょう。
犬の甘噛みをやめさせる方法
ここでは、実際に私が実践して効果的だったマズルコントロールを紹介します。
また、マズルコントロールが向いていない犬もいますので、マズルコントロール以外で甘噛みを止めさせる方法もご紹介いたしますね。
あなたの、愛犬に合う甘噛みの止め方を見つけてみてくださいね。
マズルコントロール
マズルコントロールの「マズル」とは、動物の鼻・口・顎からなる顔からはみ出した部分のことです。
マズルに握手する要領で行います。
顔を触られるのになれていない犬は、慣れるようスキンシップを取りながら、少しづつ顔を触られることにならしていきましょう。
顔を触られることに慣れると、日常の口腔ケアをスムーズに行えるようになりますよ。
しかし、以下の特徴のある犬はマズルコントロールに向きません。
- 臆病な
- 攻撃性の強い
- 気性が荒い
- マズルコントロールが遊びになる
甘噛みしたら遊びを中止する
甘噛みしたら遊びを中止することで、甘噛みをすると楽しいことが無くなると教える方法です。
甘噛みをしたら遊びを中止する時の手順は以下の通り。
- 部屋を整える(他に遊べる玩具や誤飲する物は置かない)
- 甘噛みをしたらすぐに遊びを中止する
- 声をかけず無言をつらぬく
- 無表情で部屋からでる
- 数秒したら部屋に戻る
犬との遊びを中止して、部屋を出る時に観察すべきは犬の表情です。
表情がキラキラしていたり、興奮状態の中で部屋を出ても何の意味もありません。
犬が眉毛を八の字にして困った表情や、悲しそうな表情をしているか確認してください。
「甘噛み=楽しくない」と覚えさせましょう。
遊んで発散
噛みたいという欲求を、遊ぶことで発散させましょう。
おもちゃは、犬がお気に入りのおもちゃでもよいですが、オススメはロープか長くて伸びるような柔らかい布のおもちゃ。
ロープや伸びる柔らかいおもちゃは、犬が噛む部分と人間が持つ部分が離れているので人間の手をかむ心配はありません。
ロープや柔らかい布で遊んだ後は、必ずなおすようにしてくださいね。
おもちゃを出したままにしておくと、犬がおもちゃを飲み込んでしまう事があるので注意が必要です。
犬の甘噛みを放置したら?
犬の甘噛みを、放置して直ることはありません。
甘噛みを放置するとどうなるか、ご紹介いたします。
人や物を噛んでいいと学習する
子犬時期の甘噛みを直さず放置すると、人や物を甘噛みしてよいという間違った学習をしたまま成長してしまいます。
「甘噛みしてよい物」と、「甘噛みをしてはダメな物」の区別がつかなくなります。
犬には、子犬の時は良いけれど、成犬になったらダメという理屈は通用しません。
大切な物を壊したり、服をも破いてしまうかもしれません。
家族それぞれが異なるしつけをすると、犬が誰の言う事を聞けばよいか混乱してしまうからです。
特に飼い主以外の家族がいる場合、家族全員が同じ方法でしつけを行うように心がけましょう。
成犬になっても治らない
甘噛みを放置すると、成犬になっても直りません。
成犬になっても、直らない甘噛みを「噛みぐせ」と言います。
よく「成長と共に直る」ということを聞くことがあります。
これは、犬の成長と共に甘噛みが直るのではなく、「飼い主が無意識に、甘噛みを止めさせるための行動をとっていた」という事がほとんどです。
子犬だからと言って放置せず、正しい方法で甘噛みを直していくことが大切です。
他人に怪我をさせる
子犬のころ、飼い主や家族の手にじゃれつく犬は多いようです。
しかし、子犬時期に甘噛みを直していない犬は、成犬になっても甘噛みが悪いことだと知りません。
人の手を甘噛みしてはいけないことを覚えないまま成長した犬は、飼い主だけでなく、他人の手にも甘噛みをしてケガをさせてしまいます。
子犬は顎の筋力が弱い為、軽いケガで済んでいたことも成犬になると顎の力が強くなるので大ケガにつながることも。
犬の甘噛みは、大人だけではなく幼児や高齢者も対象。
ですから、成犬にまでなっても人間の手にじゃれつくことは問題なのです。
甘噛みはできるだけ早めに直してあげましょう。
犬が甘噛みする理由
なぜ犬は甘噛みをするのでしょうか。
ここでは、犬が、甘噛みする理由を解説いたします。
子犬の甘噛みは本能
子犬の甘噛みは「噛む力加減を学ぶ本能」によるものです。
子犬には親や兄弟とじゃれ合い甘噛みすることで、どこをどれだけ噛むと痛いのかを学ぼうとする「本能」があります。
歯の生え換わり時期
生後4~5か月ごろから、歯が生えかわり始めます。
このころになると、遊びとは違い「口の中がムズムズ痒い」や「違和感を感じる」ので、この状態を解消するために甘噛みをしてしまいます。
人間の赤ちゃんも、歯の生え始めの時は口の中が痒かったり、違和感を感じるようで何でも噛みたがる様子が見られます。
動物の成長には欠かせない本能なのでしょう。
口に入れて確認するため
色んなものを、甘噛みし口に入れることで食べられるものとそうでないものを区別します。
犬は人間と違い、足を手のように使えないため、五感を駆使して興味の対象が何なのかを確かめるのです。
とくに好奇心旺盛な子犬は、噛めそうなものは何でも1回は甘噛みをする傾向がみられます。
興味のある物の匂いをかぎ、食べられそうな物であれば甘噛みして確かめます。
甘噛みすることで、口に入れた物の「かたさ」・「味」・「温度」を学びます。
おもちゃとそうでない物を区別できず、何でも口に入れてしまうことがあるので犬の安全確保が必要になります。
噛まれて困る物や危険なものは、犬の届かない高い所に移動しましょう。
犬に噛まれて困ったり、危険なものを移動することが難しい場合は、ゲートなどを用いて行動制限をするなど工夫しましょう。
遊びが足りない
遊びが足りないと、犬の甘噛みしたいという欲求を満たすことができません。
犬は遊ぶことで、狩りの疑似体験をし狩りの本能を満たしています。
おもちゃを使って遊ぶことで、疑似的に狩りの本能を満たせるため甘噛みを防ぐことができます。
疑似的に欲求を満たせる行動は以下になります。
- 追う
- 捕まえる
- 振り回す
- 噛む(壊す)
上記を踏まえておすすめの遊びを紹介いたします。
- ボールを投げて持ってくる
- ロープや柔らかく伸縮性のあるおもちゃで引っ張り合いっこ
引っ張り合いっこ遊びの際は、極力動物の動きをイメージしながらおもちゃを動かします。
おもちゃで動物のような動きを再現することにより、狩りの疑似体験ができるからです。
興奮し過ぎた時は、一旦遊びを中断し犬が落ち着いたら遊びを再開しましょう。
遊びも犬とのコミュニケーションを取る手段です。
犬と沢山遊んで甘噛みの欲求を満たしながら、犬とのコミュニケーションを楽しんでみてください。
犬の甘噛みの種類
甘噛みにも種類があります。
あなたの愛犬はどのような甘噛みをしますか?
やめて!触るな!怒り噛み
止めて!触るな!怒り噛みとは、文字通り触られることを嫌い、甘噛みすることです。
やめて!触るな!怒り噛みは、成長しても直らない可能性が高く要注意です。
- 険しい表情
- 歯をむき出す
- 上目づかいになる
- うなり声をあげる
- 甘噛みしてくる速度が速い(一瞬)
また、怒り噛みをされるときのキカッケを以下に書きました。
書いていること以外にも、犬にとって不快だと感じる行動によって、怒り噛みをするキッカケが異なります。
- 抱っこしようとしたとき
- 足を拭こうとしたとき
- 眠そうにしている時に触ったとき
- 目ヤニを取ろうとしたとき
- くわえた物を取ろうとしたとき
- 食事中に近づいたとき
やめて!触るな!怒り噛みは、甘噛みの種類の一つですがこれまでに紹介してきた甘噛みとは違います。
それは、専門家の指導を受けることが必要な甘噛みということです。
犬に合わせた専門家の指導を受けずにいると、飼い主と犬が一緒に生活できなくなります。
早急に、専門家の指導を受け飼い主と犬が共に生活できるように努めましょう。
興奮噛み
我が家の愛犬に見られた興奮噛みを以下に紹介します。
我が家には娘がいます。
娘がリビングで走り回る姿を見て、愛犬が興奮し走る娘を追いかけまわし甘噛みをする。
甘噛みされた娘は、愛犬から逃げますが、愛犬は尚興奮し追いかけまわし甘噛みしていました。
この興奮噛みは、動くものを追いかけて噛みつきたいという本能によるものです。
興奮噛みを直すには、追いかけて噛みついたりできるような玩具で遊び興奮噛みの欲求を満たすことができます。
以下におすすめのおもちゃを紹介いたします。
おもちゃは、必ずしもペット用を買う必要はありません。
紹介したおもちゃは、100円ショップで販売してあるタオルとぬいぐるみ(綿を取り出し縫い合わせます)で作りました。
犬が甘噛みする人としない人のまとめ
犬が甘噛みする人しない人をまとめます。
- 犬から信用されている人
- 遊んでくれる人
- 触感が好みの人
- 何をしても叱らない人
- 甘噛みにNOをはっきり示す人
- 犬にとって興味のない人
- 信用できない人
犬の甘噛みは子犬時期に適切なしつけをしなければ、のちに人にケガをさせたり物を壊したりと取り返しのつかないことになる可能性があります。
甘噛みのしつけは、ただ単に甘噛みを止めさせることではなく、コミュニケーションを取るチャンスと考えましょう。
正しい知識を持って根気強く甘噛みを直していくことが大切です。
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