動物病院は犬にとっては楽しい場所ではないため、どうしても怖いイメージが残ってしまい、嫌がる犬は多いです。
飼い犬を動物病院に連れて行きたいけれど、犬が嫌がって連れて行くのが大変だった、という経験をお持ちではありませんか?
かといって、診察が必要なのに連れていけないと困ってしまいますし、犬の健康にも悪影響ですよね。
そこで今回は犬が動物病院を嫌がる理由とその対策について解説します!
この記事をご覧になると、以下のことが理解できます。
- 犬が動物病院を嫌がる理由
- 動物病院を嫌がる愛犬への対策
- 動物病院では実際にどのような対応をしているか
なお、犬のしつけに関する教材は、【2022年最新】犬のしつけ教材を徹底解説【比較表あり】をご覧下さい。
犬が動物病院を嫌がる理由
動物病院を嫌がると言っても、犬によって嫌がり方は様々です。
震えてるけど大人しく診察はさせてくれる子もいれば、怖がって暴れる犬、噛み付いてくる犬もいます。
犬が動物病院を嫌がる時、どんな理由で嫌がっているのか一緒に見ていきましょう。
嫌な処置を覚えている
犬が動物病院を嫌がる理由は、嫌なことをされるから、というのが一番です。
基本的に動物病院では、犬が喜ぶ処置をすることなんてほとんどありません。
病気の時は採血や注射をすることがありますし、健康な時でも体温をお尻から測ったり、ワクチンを打ったりと、して欲しくない処置が盛り沢山です。
- 抱っこで押さえて診察しやすくする
- 口をぐいっと開けて歯を観察する
- 触診でお腹をぐっと押す
- お尻に体温計を入れて熱を測る
- 聴診器で心臓の音を聞く
ただの健康診断でも上記のような内容は普通にやるのですが、犬にとっては余計なお世話なのです。
ちゅね、この前動物病院へ行ってきました。16.9キロにまで成長。
が、動物病院へ行く気配を察したときから、抵抗しまくりでした。
ソファでごねる。
床でごねる。
病院前でごね、診療台前でごねまくる。治療の寸前までゴネまくりでした。#犬 #動物病院 #嫌い #ボーダーコリー #犬まんが pic.twitter.com/Y0GukXHRKc
— 春みみず@三色小僧飼 (@halmimiz) March 22, 2021
来院する飼い主さんのお話を聞くと、今から病院に行くよ、と言っただけで元気がなくなる犬も沢山いるようです。
知らない犬や人が苦手
動物病院では待合室で色々な人や動物と顔を合わせることになります。
家族連れで来院して子供が賑やかだったり、大型犬がいたり、わんわん吠える犬がいたり、待合室の顔ぶれは結構バラエティに富んでいます。
元々怖がりで神経質な性格の犬や社会性の乏しい犬は、待合室自体が苦手で病院に行きたがらないことも多いです。
病院の環境が嫌い
病院の設備や環境も犬が嫌がるポイントがあります。
- 高い診察台
- アルコールや消毒剤の匂い
- 他の犬の吠え声や猫の威嚇する声
1番分かりやすいのは診察台でしょう。
診察時、体重を測ったり検査をしたりするために、診察台にどうしても乗る必要があります。
ひびき生後78日、6.2KG
グングン成長します。
今日は検診だけだけど、診察台に乗るだけでこの表情😂大丈夫💉チクッとしないから🤣#秋田犬 #こいぬのいる暮らし pic.twitter.com/yaRkSpGpdX— 秋田犬 akitainu_Hibiki (@akitainuhibiki) July 5, 2021
診察台は獣医師が検査しやすい高さになっていて普通の机くらいの高さはあります。
乗るのが怖い、高いのが怖くて震えている、という犬はとても多いです。
診察室が複数ある病院では、隣の部屋から犬の悲鳴や猫の威嚇する音が聞こえてきて、犬が怯えてしまうというケースもあります。
他にもアルコールや消毒剤、薬の匂いなど、犬の嗅覚ではかなり敏感に感じている可能性もあります。
犬にとっては非日常で怖い物が揃っているので、どうしても苦手意識が出てしまうのです。
動物病院を嫌がる犬への対策
動物病院が嫌だとしても、どうしても行かなければならない時はあります。
処置が嫌いなのは仕方がないですが、少しの工夫で診察が受けやすくすることができます。
連れて行く際に出来ることを見て行きましょう。
予約制の動物病院を選ぶ
診察が予約制になっている動物病院を選ぶと、犬のストレスを大幅に減らすことが可能です。
予約制を採用している病院なら、待合室で他の犬におびえたり、長時間待たされるストレスがないから。
ですが、近くに予約制の病院がない場合でも工夫は可能です☟
- 車や病院の近所で順番を待ち、順番が近づいたら電話してもらう
- 病院に患者が少ない時間を問い合わせる
どうしたらいいのかわからない場合は一度動物病院スタッフに相談してみてください。
怖がる、暴れるなどが激しい犬は病院側も早く診察が終わるよう工夫してくれることも多いです。
普段から動物病院に行く習慣をつける
動物病院に来る機会の多い犬は病院にも慣れやすい傾向があります。
かかりつけの動物病院が近いなら、定期的に通うといいでしょう。
特にオススメなのは
子犬の時期にまめに病院に通う
子犬の時期は社会化の時期でもあるので、病院に慣れさせるには最適なのです。
これまでワクチン接種や健康診断で来院する子犬をたくさん見てきました。
生後2ヶ月半くらいの子犬では、ワクチン接種の時でも注射をそれほど嫌がらず、きょとんとしていることが多いです。
生後3ヶ月半くらいになると、明らかに注射を嫌がる、逃げる、など自我が出始めます。
通常ワクチン接種が終わると病院に来なくなってしまう人も多いですが、ここで来なくなると病院嫌いは加速しがちです。
爪切りなどのお手入れや、健康診断なども動物病院はやっているので、病気以外でも積極的に利用しましょう。
ワクチンが終わったあとも月に一回程度、通うと子犬も病院に慣れやすいです。
成犬でも、散歩がてらフィラリアやノミダニのお薬を取りに来る、など処置がない時も病院に行くようにすると恐怖心は薄らぎます。
関連記事:散歩時の犬のしつけ方を4つのシチュエーション別に解説【動画あり】
診察後におやつを与える
ワクチンやフィラリアの採血など、病気ではないけれど痛い思いをしないといけないタイミングがあります。
そういう時は注射の後におやつをあげて思い切り褒めましょう。
ドッグランで遊んだあと、ワクチン接種で動物病院。写真はびびりながら待つ犬たち。診察前はブルブル震えてたけど、終わった後おやつをいただいたらすっかりご機嫌に帰って行きましたとさ。
http://t.co/2l4LWaF— あり (@ari0913) August 25, 2011
犬の性格にもよりますが、おやつをもらえることで処置後に機嫌が治ったり、処置の痛みを誤魔化せたりすることがあります。
お会計が終わって病院から出たらもう一度思い切り褒めてあげてください。
処置で噛む犬への対処法
動物病院が怖いあまり攻撃的になり、飛びかかってきたり噛もうとする犬もいます。
噛まれると痛いだけではなく、感染症を起こすこともあるので、出来るだけ対策を取りたいものです。
事前にできる準備など見ていきましょう。
口輪やエリザベスカラーをつける
犬が落ち着いている時に、エリザベスカラーや口輪を付けると安全です。
つけるタイミングは家でもいいし、動物病院に入る前でも構いません。
犬が穏やかなうちに着けることが出来れば、動物病院で無理矢理犬を押さえつけたりする必要もなく、スムーズに診察することができます。
家でつけられない場合は、病院にも用意はありますが、一応持って行ってください。
ハーネスを着けて連れて行く
家で口輪やエリザベスカラーをつけようとすると、怒って噛みにくる犬もいます。
そういう犬はハーネスやリードをつけてきてもらう方が助かります。
特に小型犬はキャリーバッグやクレートに入ってくることも多いですが、怖がりで噛む犬はそこから出すのにとても苦労することがあるのです。
リードやハーネスがついていると、ある程度動きをコントロールすることができ、噛む犬でも格段に扱いやすくなります。
噛む犬に獣医師が取る対策
噛み癖がひどく、診察が難しい犬の場合、動物病院ではどのような方法で診察しているのでしょうか?
まずは暴れている犬を押さえ込み、エリザベスカラーをつけるところから始まります。
うちの犬はすごく暴れるから着けられない、と思うかもしれませんが、
- バスタオルで顔を隠し、犬の視界を遮ってから装着する
- 飼い主が抱っこしている間に装着する
- 首と足の関節を固定し、犬の動きを制限してから装着する
この3つの方法で大部分は対応できます。
動物病院ではスタッフが犬の扱いに慣れており、人手もあるので、自宅より装着しやすいのでしょうね。
エリザベスカラーがつけられない犬の場合、簡単な病気なら犬の症状と目視でこんな病気かな、と目星を付けます。
そしてお薬を処方し、治るかどうかで治療の是非を判断することもあります。
しっかりした処置が必要な場合は、注射を打って鎮静をかけ、寝ている間に処置をする方法をとります。
鎮静をかけられるかは犬の健康状態にもよりますが、よほど具合が悪くない限り対応は可能です。
動物病院を嫌がる犬のまとめ
動物病院は犬にとって楽しい場所ではありませんが、犬と病院スタッフが仲良くなることで病院嫌いは軽減します。
動物病院を嫌がって、震える・暴れる・噛むなどが見られる犬への対策をまとめておきます。
- 予約制の病院を選ぶ
- 普段から動物病院に行く習慣をつける
- 動物病院で頑張ったらオヤツを与えて褒める
- エリザベスカラーやハーネスを着けて連れて行く
- 困ったら動物病院スタッフに任せる
病気の時以外でも、動物病院を積極的に利用してくださいね。
なお、犬のしつけ教材について、以下の記事で詳しく解説しています。
どうぞご参考になさってください☟